インターン体験記: 吉田沙世
私は約1年間、北欧研究所でお世話になりました。留学を計画立てていた頃から熱望していた、北欧研究所でのインターンシップでは掲げていた目標を上回るほど、多くの経験から学ばせていただきました。特に、私のインターンシップの経験はコロナウイルスによる制限もありましたが、支えてくださった安岡さんをはじめ、研究者の方々、インターンシップの仲間のおかげで、今後の人生軸を築けたものになりました。
北欧研究所では委託業務の研究レポート作成や、現地調査のコーディネートなど、多くの業務に取り組ませていただきました。研究レポート作成では、乏しかった記述スキルをご指導してくださり、書く力が向上し、英語での情報収集の力が身につきました。インターンシップの前半ではデンマークの現地調査で訪れる方々のアレンジから、当日のアテンドまで取り組ませていただき、様々な切り口からデンマークを視ることができました。幸福な国、福祉国家、高い税金、電子国家などデンマークに対して持っていたイメージを異なる分野からアプローチし学習できたことで、イメージの成り立ちを実感することができました。
後半に差し掛かった3月にはロックダウンがありました。デンマークでもコロナウイルスが猛威を振るいはじめ、大学の授業もオンラインに切り替わるなど影響がありました。しかし、ロックダウン中でも地元の飲食店を応援するデンマーク人や、プレスカンファレンスを真剣に見るデンマーク人など、コロナ禍でしか感じることができなかったであろう側面を見ることができました。段階的な行動規制の解除により、インタビュー調査が可能になったり、感染対策を徹底しながらも元のように活動できたことは大変ありがたかったです。
また委託業務に加え、興味分野の研究にも取り組みました。留学・研究テーマであった「北海道の持続可能農業に貢献すること」を達成するために新しい発見を見逃さずに、現地調査に努めました。地元の北海道ブランドをさらに盛り上げるべく、北海道と同様に家族経営が盛んで輸出に力を入れ、成功しているデンマークで研究に取り組みました。留学前に調査していたデンマークの農業形態に加え、発展しているオーガニック農業や環境配慮型農業に感銘を受け、その都度研究に修正を加えていました。興味があった分野を研究分野にし、デンマークで調査していくことは、とてもやりがいがありました。
北欧研究所のインターンシップに取り組んでいた仲間も、それぞれの興味分野に真剣に取り組んでおり、刺激をたくさん受けました。会合毎に新たな成果や、その分野の最新トピックをシェアし、そこから得た学びもかけがえのない大切なものです。
そして、北欧研究所の文化プロジェクトであるiimonordicのメンバーとして活動できたことも大変貴重な経験となりました。近年日本のデザインや食文化に注目が高くなっているデンマークで、日本茶をデンマークに広めるイベントの計画から実行まで携わることができました。日本文化の広まりを肌で感じ、私自身も日本文化に対しさらに興味が湧きました。
インターンシップを通して得た学びは書ききれないほどあります。予期せぬコロナ禍でも貴重で豊かな時間を共にして下さり、多くの選択肢・世界が広がっていることを教えてくださった安岡さん、研究者の方々、インターンシップの仲間、デンマークでの数々の出会いは今後の大きな糧となっています。本当にお世話になりました。ありがとうございました。