ロボットの活用法と「リビングラボ」という仕組み
昨年末に執筆した記事が、デンマーク日本人会の会誌に掲載された。題して、「福祉テクノロジーを醸成、リビングラボの挑戦」。デンマークにおける福祉テクノロジー事情と新しい実証実験のカタチ「リビングラボ」について執筆したものです。見開き2ページの短い記事ですが、新技術を社会に導入する際の課題、さらに社会に技術導入をより望ましい形で実現するための方策「リビングラボ」について解説しています。
一部を抜粋します。
技術的優位性があっても、その技術の本質が理解されるか、技術をうまく社会のニーズと融合させることができるかどうか以外と難しい課題である。技術を社会に導入するときの課題としては、技術の背後にある意図を、その技術を見ただけ、また時間の経過を経ずに理解するのは非常に困難である、また、状況を切り離して理解を試みても、本来の意味づけを理解するのは困難である、といった点が挙げられる。
技術と人との複雑な関係に橋渡しをしようとする興味深い試みが、北欧や欧州全体、そしてデンマークで盛んになっています。それは、技術を社会に大規模導入する前に、実際に生活の場やそれに近い形で、関係各所を巻き込んで使ってみよう、使い込んでみよう、そして改良してみよう。そしてそれを満足するまで繰り返し、トコトン最上の形を追い求めようという反復のイノベーションの試み『リビングラボ』です。リビングラボは、一般人を含めた利害関係者を巻き込むための工夫を提供し、長期的視点で社会の中の技術の位置付けを探る試みです。
記事に関心のある方は、北欧研究所(info@japanordic.com)までご連絡ください。