光がテーマ、スマートシティの取り組み

2日間に渡るJLMA日本照明工業会の視察において通訳及びアテンドを実施しました。現在、コペンハーゲン市を中心に街路灯の取り替えが進み、同時に、「あかり」をスマートシティの基幹情報ネットワークに活用する方策が模索されています。光という切り口で、未来が見えて来る、そんな新しい動きの一端がが日本視察団に紹介されました。

  
コペンハーゲン市のスマートシティの取り組みは、産官学連携で、リビングラボを活用した取り組みとなっています。実施されている取り組みとしては、DOLLAlbertslund Living LabLighting MetropolisGate 21Copenhagen Solution Labなど、事例は次々に出てきています。例えば、光に注目したDOLLは、街路灯などの光を活用し、情報ネットワークをメッシュに張り巡らせ、都市全体データ基地化してしまうという計画を立てているのです。コペンハーゲン市及び一帯には、何箇所もリビングラボが設立されており、オフィス街や住宅街の一角が、実証実験場になっています。光通信のハブが設置されている場所もあり、その光通信(Lifi<-WIFIならぬ光FIと呼ばれます)を使って通信すると、スターウォーズ全6作、HDバージョンが、20秒でダウンロードできてしまう速度だそうです。光をゲートウェイにすることでできることがたくさんあるんですね。
 
 
街路灯の取り換え時期を迎えたコペンハーゲン市は、インフラ再整備の一環として、将来を見越した情報ネットワーク整備も同時に行っており、こんなところに、フレキシブルで効率性重視、横連携を進めるデンマークの産官学連携体制の強さが見えるのだと思います。そのほか、コペンハーゲンのリビングラボでは、ビックデータの活用なども一つの鍵となっています。例えば、Copenhagen Solution Labは、光というより、どちらかというとビックデータの街における活用が中心です。
 
 
日本では、非常に面白い技術が次々と提案・開発されていますが、日常生活に入り込むまでに時間がかかると言われます。その先端技術をどのように社会で活用するか、どのようにしたらより使い勝手が良くなり、人の生活を幸せにするかという点は、デンマークが得意とするところなのかもしれません。ここにデンマークと日本が協力し合える点があるのだと考えています。
 
 
世界の先端をいくデンマークのスマートシティの取り組み、光を媒体とした新しいリビングラボ(実証実験)をもっと知ってみたい方、ぜひ、北欧研究所にご連絡ください。北欧研究所では、訪問調査のアレンジ、レポート執筆などの相談に応じています。