インターン体験記:熊谷佐和子
<インターンを終えて:熊谷佐和子>
2018年5月28日
熊谷佐和子
私は2017年の9月から2018年の6月まで、約8か月間北欧研究所のインターンとして活動させていただきました。北欧研究所では、主に外部から委託されたコンサル業務、個人プロジェクトとして東北地方の東日本大震災復興プロジェクト、個人研究としてのデンマークにおけるジェンダーギャップの調査、北欧研究所のメールマガジンの配信の4つを担当させていただきました。
私にとって今回が初めてのインターン経験ということもあり、最初は戸惑いの連続でした。レポートの書き方やフォーマットの揃え方など、基本的な知識やスキルのなさにも落胆しましたが、いちばん苦悩したのはインターンに臨む姿勢でした。北欧研究所ではメンバーで共同で作業することよりも、割り振られたタスクや自分の興味分野の調査を個人で進めることのほうが多く、週に1回のミーティングで他のメンバーの方に助言をいただくことはできるのですが、そもそも自分がどういうことに興味があるのか、どういう方向性で研究を進めていきたいのか、どういう方法でそれは達成できるのかなど、インターンで求められることは全て「自分」の意向に委ねられていて、それが私にとってはとても難しく、悩みの種でした。それまでの自分を振り返ってみると、確かに日本では大学での授業でも、アルバイトでも、人から与えられた課題や仕事をどうこなすかという視点が行動の中心になっていて、実際に与えられたことをきちんとこなしていれば評価してもらえていたので、自分の頭で「考える」ということを放棄していたなと深く反省しました。インターンを8か月経験した今では、どんな提案をしても「面白そうだね」「やってみなよ」と言っていただける、自由度が高く、年功序列関係なく対等に扱っていただける研究所の環境はとても有難いと思えるのですが、インターンを始めた当初はそのような恵まれた環境を全く活かせていない状態が続いていました。
そんな状況の中、私のインターン活動の転機が11月頃に訪れました。研究所の代表に「もっと自分が興味のあることを自分から提案して、実行してほしい」というお話をされた時に「岩手県盛岡市出身という立場から、デンマークの人にという東北地方の復興状況を伝えるイベントを企画したいです」と初めて自分からやりたいことを発信したのです。すると他のメンバーの方も賛同してくだって、色々な実現方法を一緒に模索していただいたり、日本人のお知り合いの方を紹介していただいたりして、皆さんのご協力のもと、初めて自分が中心となってプロジェクトを成し遂げることができました。また、もう一つの個人活動として、ジェンダーギャップについてインタビュー調査もすることができました。日本にいた時からなぜデンマークは男女平等なのかに興味があったので、デンマーク留学の目標の一つを叶えることもでき、インターンをさせていただいたことでデンマークでの留学生活をより有意義に出来たと思っています。さらに、インターンと並行してアウトプットの練習として書いていたブログも、デンマークでの一つ一つの体験について、きちんと考えて文章化するという習慣づけになり、留学生活にいい影響を与えてくれました。ほかにも、デンマークについてより深く知れた、将来のキャリアプランの展望が見えた、コンサル業務について知見を得られたなど、インターンを通じて得たものは数えきれないほどあり、続けてきて本当に良かったと感じています。
最後になりましたが、お世話になった代表をはじめとする研究所のほかのメンバーの方々はそれぞれの専門分野に精通していたり、海外で様々な経験をされていたりする方が多く、お会いする度に刺激をもらっていました。この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。