インターン体験記:宮本千央

 

 私は2024年9月から2025年1月までの5か月間、デンマーク工科大学への交換留学と並行して北欧研究所でインターン生としてお世話になりました。キャンパスでの学びだけでは得られない多くの経験に、心からインターンを始めてよかったと感じています。学生生活の最後の半年を、新たな学びや人との出会いに恵まれて過ごせたことは、私にとって貴重で大きな糧となりました。本当にありがとうございました。

 北欧研究所での具体的な業務としては、コペンハーゲン視察の計画・アテンド、環境・エネルギー、高齢者ケア、デジタル分野の調査・レポート執筆、Facebookアカウントの運用などを担当しました。特に、専門分野であるまちづくりに関するコペンハーゲン視察への同行では、大規模都市開発から地域コミュニティを支える拠点、行政のデジタル化や環境への取り組みなど、さまざまなまちづくりの現場を実際に訪れ、そこで活躍されている方々のお話を伺うことができ、大変勉強になりました。

 また、自身の大学での体験をきっかけとして「デンマークの大学におけるイノベーション支援の特徴」をテーマとした個人研究を進め、大学施設の担当者にアポイントを取ってのインタビューやフィールド調査を実施しました。

 これらの活動を振り返り、特に2つの視点を得られたと感じています。1つ目は、相手が本当に必要としていることを考え続ける視点です。リスト作成一つとっても、ただ求められた情報を並べるだけでなく、「相手はこの情報をどのように使うのか」を想像し、そのうえでさらに役立つ情報や文書構成を自発的に考えることで、初めて質の高いアウトプットが生まれるということを実感しました。

 2つ目は、外から日本を捉え続ける視点です。デンマークに関するニュースや事例に毎週触れ、対外的に情報を発信していくなかで、専門外のトピックでも「では日本ではどうなっているのだろう」と興味をもって調べるようになりました。生活や文化の面でも、デンマークでの暮らしを肌で感じ、社会構造の違いを学ぶにつれ、日本を今までと異なる角度から見つめ直す機会が格段に増えたと感じます。特に、安岡さんをはじめ、長年デンマークで生活している日本出身の方々の実体験に基づいたお話をうかがうことで、共感する部分や気づきも多く、日々の生活の中で新たな発見を得ることができました。未熟で言語化しきれていない部分も多いですが、こうした経験や思考のひとつひとつが私の留学生活におけるかけがえのない財産となったことは間違いないと感じています。

 こうした学びを促し、導いてくださった、安岡さんはじめ北欧研究所の方々に、感謝の気持ちでいっぱいです。今後はこの学びを必ず生かし、より成長した姿で皆様にお会いできるよう、新たな社会人生活に向けて一層邁進していきたいと思います。

 本当にありがとうございました。

宮本千央