EUに関する国民投票について(インタビュー4)
これまでの3つの記事とは異なり今回は反対派へのインタビュー記事です。デンマーク国民党のユース団体(DFU)のTobias Weische (トビアス・ヴァイス)さんにインタビューをさせていただきました。 More
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これまでの3つの記事とは異なり今回は反対派へのインタビュー記事です。デンマーク国民党のユース団体(DFU)のTobias Weische (トビアス・ヴァイス)さんにインタビューをさせていただきました。 More
<今回の国民投票の争点はユーロポールへの参加、ではない>
「国民の不安:1992年と2015年のEUとデンマーク(下)」
社会民主党ユース(DSU)ラッセ・ラスムセン(Lasse Rasumussen)さんへのインタビューの続きです。 More
<今回の国民投票の争点はユーロポールへの参加、ではない>
「選挙の争点:EUとデンマークの関係はどうあるべきか」(上)
社会民主党ユース(DSU)ラッセ・ラスムセン(Lasse Rasumussen)さんにインタビューをさせてもらいました。 More
Spotifyとは、スウェーデンで生まれた音楽ストリーミング配信サービスである。現在無料会員数約6000万人、有料会員数約1500万人、配信楽曲数約3000万曲、サービス利用可能国は58か国にのぼり、世界最大手である。 More
デンマークは、人口566万人で九州とほぼ同じ面積の北欧の小国です。そんな日本から遠く離れたデンマークですが、2013年と2014年に世界幸福度調査で1位になるなど、世界の注目を集めています。 More
コペンハーゲン大学の2年生、社会民主党のユース団体で活動するユリア・フルリック(Julie Frølich)さんに国民投票についてのインタビューをさせてもらいました。 More
2015年12月3日、デンマークで国民投票が行われます。町の中でも”Ikke mere EU. NEJ!”(EUはこれ以上いらない。NO!)や、”Hjælp politiet stem JA” (YESの投票で政治を助けよう)と否決/可決を呼びかける様々なポスターを見かけるようになりました。 More
10月1日、旅行代理店スピースが、新たな旅行促進PRプログラムを立ち上げた。昨年に引き続き2度目の「Do it for Denmark」と名付けられた少子化対策という名の旅行促進PRプログラムが注目されている。 More
Service, ESSAY イノベーション・創造性教育, 北欧流参加型デザイン
STEM(理工系)分野と高成長スタートアップの相関性が高いというレポートが、近年北欧で注目されています。世界の他地域の例にもれず、北欧でも新産業創生が求められており、より高成長が期待できるSTEM分野に特に注目した起業家を育成するための試みが数多く見られているのです。
北欧で盛んなのは、日本や米国で多々見られる民間ファンドというよりは、政府系のファンド、地方自治体の企業サポートプログラム、大学での教育プログラムなどであるのですが、特に、STEM系大学で実施されている起業家育成のためのプログラムや環境づくりは、まだ日本ではそれほど見られないということもあり、日本にも参考になる点が多いと言えます。また、高等教育機関における高成長スタートアップのサポートは、より効率的/効果的であるとみられ、投資効果が高いと見込まれています。
北欧社会に特徴的なイノベーション手法や参加型手法を取り入れたプロジェクト、誰でもがコラボレーションのために使える場の構築、3Dプリンターなどの最新機材を揃えたファブラボ、それらがうまく絡み合い、新たな起業家育成環境のエコシステムが出来上がっています。
北欧研究所の最新レポート「北欧社会の起業家育成事情」では、北欧の起業家育成事情を、政府系ファンドや地方自治体の取り組み、大学プログラムなどを中心に調査し、北欧における起業家育成環境を探っています。
問い合わせ:info@japanordic.org
(Photo: DTU, Skylab, Stamers Kontor)
北欧4カ国では、医療が公共サービスの一環として無料もしくは安価で提供されています。国家プロジェクトの一つとして、医療現場に見られる新しい試みは、学際的な知見が集積され、問題定義や問題解決が進められています。医療という分野においても、医療だけにとどまらず、社会の構成要素の一つとして位置づけされ、分野横断的な試みが、複数の利害関係者を巻き込み参加型で実施されているのも、北欧の特徴といえます。
最近は、日本でもデンマークのIT利用が注目されているのだろうか。いくつか興味深い記事があったので、メモ代わりに記しておきたい。
国際大学GlOCOMの研究員猪狩 典子氏による「ICT利用先進国デンマーク(https://www.glocom.ac.jp/column/denmark/index.html)」という連載が6月2日から始まっている。現在は、全7回のうち3回まで掲載されている。
同じくGLOCOMの砂田薫氏による、デンマークにみる「人間のための情報システム(https://www.yy.ics.keio.ac.jp/issj-mm/mm0502/mm0502-7-5x.pdf)」。先端技術が売りなのではなくて、人間が中心の情報システムデザインをしているという内容。
挙げた記事にうまく表現されていて「その通り!」と膝をたたいたこと、それは、日本の電子政府が技術主導であるとするならば、デンマークのIT利用は人間主導であるという点。その本質的な違いは、システム・デザインで、日本ではまだまだ定性的だとして本格利用が進んでいる思われない「ユーザ主導のデザインUser centered Design」や「パティシパトリー・デザインParticipatory Design」が行なわれるという点から見られる。この「ユーザ主導のデザイン」ではまず、どういったシーンで利用ができたら嬉しいかという利用者作り(ペルソナ法)、その利用者の利用シーンのシナリオ作り、そのシナリオでシステムがどのように動いたら嬉しいか、といったシステム(機能)仕様が詰められる。
デンマークでは、ITに限らず、その他の技術も「人を支援するため」に導入されることが多い。福祉現場でスーツ型のロボットが注目されているのは、ロボットに関心があるというよりも、介護師の負担を軽減することに有効であると考えられたからである。実用に耐えるかどうかわからない時期尚早の技術でも、デンマークのニーズには合致するために注目を集めるのである(デンマークの福祉技術、日本のロボットに注目)。デンマークは、必ずしも新技術導入に熱心な国ではないという印象を受けるが、それが生活を支援するもので、生活の質を向上するならば、比較的すんなりと導入されるようだ。少し前までデンマークで見られていた「ロボット反対」論は、どこかに消えてなくなっている。
デンマークと日本は,両国共に情報コミュニケーション技術(Information Communication Technology)の導入が盛んな国と一般的に言われます。世界経済フォーラム(WEF)によれば,デンマークは 2007 年から2009年まで第1位,2010年には3位,2011年7位,2012年4位にランク付けされています。
一方で,日本では,FTTH を代表とした非常に速度の速いブロードバンドが敷設されるなど,要所要所では,非常にすぐれた技術を保有していますが,2012年のWEFランクで は,18位にとどまっています。この違いがどこから生まれているのか,様々な意見があるでしょうが,私は,公共部門でのIT利用が鍵となっていると考えています。
政府や地方自治体と行った公共部門内部でのIT利用が促進されているか,医療や教育といった国や人々の生活のインフラを形作る社会保障分野におけ る IT の利用が政府主導で行われているかという点です。
日本では,元気な民間企業が,世界レベルの技術的に優れた背品やサービスを作り出していますが,社会のIT化は,技術のみでは進みません。社会でのIT利 用は,法律的な枠組みの再調整や全国的な対策が必要になりますので,どうしても政府が主導して進めるのが効率的ですし,市民の心情や利用における安心感と いったソフトな面も大きな影響を与えるため,社会的な認知が重要になってきます。
今回は,デンマーク社会におけるITがどのように進展していくのか,大きな流れを解説するとともに,現在デンマークで大きく動いている2つの分野について,個人的な雑感をお話ししたいと思っています。
現在デンマーク政府は,2015 年を一つの節目として,公共部門とその関連分野に置ける電子化を進めており,2015年までの目標として,初等教育におけるIT導入とIT教材を用いた教育の促進,遠隔医療,ビジネス分野における電子化の進展の3本柱を定めています。
今まで第一段階として公共機関内,第二段階として公共機関と企業間における電子化が,半強制的に進められてきました。
たとえば,公共機関内部で利用される 書類の電子化や,会社設立の申請や税金申告など政府と企業間のコミュニケーションの電子化です。民間企業の電子化の自助努力を促すための仕組みも政府が中 心になって提供しています(※[1]) 。
([1] 例えばオンライン請求書NemHandel,青色申告を簡単に進めることのできるTastSelvなどがあります。)
また,公共分野に置けるIT利用を,「よりITに慣れた」年代から浸透させていこうとする試みも各種見られ,SU(デンマークの学生ローン)関係手続きがほぼ完全電子化されています。
残る公共部門最後のIT化への砦が,政府と民間のコミュニケーション分野で,デンマーク政府が2015年までに完了させるとしている項目の一つとなってい ます。税金の還付,子ども手当関連の手続きが電子化され,また政府からの連絡には,電子的な連絡手段が使われ始めていますし,現在,子どもの保育園登録や 引っ越しなどの申請,各種手続きのうち電子化が優先されるべき公共サービス63項目が挙げられ電子化が急ピッチで進められています。
すでに,デンマーク政 府の電子化は,明確かつ具体的な目標値の設定により,着実に進展しており,デンマーク政府が進める今後の社会のIT化のイメージは,非常につかみやすいの です。
そのなかで,議論にはなっているものの,方向性が定まらない分野というのも存在します。一つは,「電子選挙」です。デンマークで,選挙におけるIT 手段を利用したPR(twitterやFacebok,HPなど)は,前回の2011年総選挙辺りから盛んに見られるようになってきました。電子投票に関 する動きも進展し,各地域で電子投票が実験的に行われています。政府も意欲的で,2011年には,私が所属するITUの研究グループが中心となって大型 ファンドを取得し「DemTech」プロジェクトが開始されています。
今まで電子投票が導入に至っていないのは,技術的な問題ばかりでなく,人的・心理的要素が多く関わってくるためと考えられます。そのため,DemTechプロジェクトでは,いかに民主主義を支援する選挙システムが導入できるか,信頼性を確保できるかを課題としています。
簡 単にデンマークの選挙におけるIT導入の歴史を概観してみましょう。デンマークでは,1962年から,エクセルシート等の利用が始まり,80年代には,電 子投票者リスト作成,紙ベースの投票者リストや投票用紙作成,選挙後の議席集計に計算機が使われてきました。
現在,有権者登録,投票者リスト作成,投票集 計の選挙に関わる3項目での抜本的IT導入が検討されています。2012年末から,法律の改正案が検討されており,2013年,14年には実験的に電子投 票が行われる予定です。電子投票では,どのようなことが問題なるのでしょうか。
たとえば,投票集計アルゴリズムは,安全性の確保を理由として未公開です。選挙の投票結果がどのように計算されているのか分からないという点は,民主主義 が守られているのかどうかという疑問が提起されているようなものです。また,(投票者の)匿名性と(選挙の)透明性も両立が非常に困難な課題です。電子投 票は,民主主義のありかたを揺るがしかねない社会的な課題なのです。
しかしながら,逆説的ではありますが,私は,民主主義とはどうあるべきかという議論が盛んに行われることで,デンマークでは,電子選挙の進展が促進される気がしています。
最後に,現実に何か行われているわけではないと前置きした上で,私が個人的な関心を持っている「社会におけるIT利用」についてお話しして,私のエッセイを終りとしたいと思います。
それは,医療情報の扱いです。公共サービスとして,政府が医療サポートをしているデンマークでは,医療情報の活用は,大きな関心事の一つです。デンマークでは既にオンラインで個人が過去の医療記録や投薬記録を閲覧することができますが,この医療情報の枠組みは,さらに広がっていくと個人的には考えています。現在,多くの遺伝子情報が解明されつつあるのは,皆さんもご存知だと思いますが,記録されるデータに遺伝子情報が加わることはそれほど想像し難くないのです。たとえば,生活習慣病の予防を考えてみます。
肥満遺伝子が見つかった場合には,肥満により発症する疾病に対する処置を事前に行うことができるかもしれません。肥満遺伝子をおさえるための遺伝子情報のデータベース化が進み,臓器提供や不妊治療におけるドナー情報などもデータベース化され,手術から数年後の拒絶反応に備えることができる,そんな日は,それほど遠くないことかもしれません。
近年のデンマークの医療分野において、IT 利用がいかに進められているかについて、医療サービスの質の向上、資源の有効利用、業務プロセスの最適化という3 つの観点から考察する。JETROの依頼により、2006年に執筆したものである。
https://www.jetro.go.jp/world/europe/eurotrend/pdf/0609R3.pdf
長い間,土地が肥沃とは言いがたく収穫可能な食材が限定されていた国土を持つデンマーク人にとって,食事は,栄養補給が主な目的だった。
朝はパンとチーズ,昼はライ麦パンに酢漬けのニシンや卵,ハムやミートボールをのせたオープンサンドイッチ,夜は,肉,煮込んだじゃがいも,グレービーソースなどが定番だ。
外食文化も成熟していたとは言いがたく,外食は一年に数回,高級フレンチが一般的だった。
90年後半から2008年に欧州の経済危機に連動し,国内の不動産バブルが弾けるまでの間は,デンマークは好景気を享受し,海外からの多様な食文化,ストリートフードが流入した。
時期を同じくして,デンマークのクラウス・マイヤーとレストランnomaのレネ・レゼッピが,北欧料理の探求のために10項目からなる北欧キュイジーヌのマニフェストを宣言し,北欧は食の砂漠地帯と考えられていただけに,余計に国内外の注目を集めるようになる。
北欧キュイジーヌは,科学的知見と料理芸術の融合に基づく,伝統的な北欧素材を重視し新しい視点で活用する,より健康的な食を推進するなどの項目からなるもので,マニフェストを遵守しているレストランが,ニューノルディクフードとして認定される。
主催の2人が関わるレストランnomaは,世界一のレストランに連続して選ばれており,世界的な注目も手伝って北欧人たちの食に対する認識が変容していった。
レストランは,過去十年で,種類数とともに増加傾向にあり,気軽に食べられるレストランから高級料理店まで幅広い選択肢が得られるようになってきた。
近年は,気軽につまめるワインバーや地ビール醸造所などに併設されているレストラン,コペンハーゲン中心地のイスラエル広場に新しく作られた屋根付きのマーケットなどが人気を見せている。
マーケットでは,世界各地からの食材を入手することができるだけでなく,カウンターでの飲食も可能だ。
従来から人気のビールにも変化が見られる。フレーバービールなど新しい視点からのビールがトレンドで,地ビール醸造所などでも楽しむことができるが,前述のマーケットやスーパーの品揃えも充実してきている。
カフェは,軽食などもできる従来の格式あるフレンチ風カフェがあいかわずの盛況を見せるが,デンマークの草の根的なカフェも増加している。
一風変わったカフェも散見され,最近は得に社会貢献を目的としてほぼボランティアで賄われるカフェや,廃棄食材を活用するカフェ,子連れのための設備が充実しているカフェなどだ。
人道援助や平等社会の構築などに積極的なデンマーク,子育て環境の充実なデンマークというイメージにまさに合致する傾向が見られるといえる。
日本食は,提供する店は増加しているとはいえ,多くが日本以外のアジア諸国出身者の運営で,まだまだ日本食といえば「スシ」というイメージが残る。スシに関しても,伝統的な寿司ではなく,裏巻きや地元の食材を活用したファッショナブルなスシが主流で,最近では,コペンハーゲン・チボリホテルの最上階にあるスシレストランが注目される。デンマークでは,食に関しては,フランスからの影響が大きく,フランスで流行った焼酎,日本酒,ウィスキーや「旨味」「ゆず」などの食用語などが,食通の間では注目されている。
日本食をデンマークで流行らせたいのであれば、「フランスから入れ」とは、デンマークの食通の弁だ。
北欧は、長い間食の砂漠地帯と考えられていたましたが、デンマークの食文化の伝道師ともいえるクラウス・マイヤー氏とレストランnomaトップシェ フのレネ・レゼッピ氏が、北欧料理の探求のために10項目からなる北欧キュイジーヌのマニフェストを宣言し、食を取り巻く環境に大きく変化が見られています。
Nomaを初めとした 新北欧料理のレストラン群は、その提供される料理の斬新さから国内外の注目を集めるようになっています。
新北欧 料理として認定されるには, マニフェスト項目を遵守していなくてはなりません。マニフェストは、世界一の科学的知見と料理芸術の融合に基づく,伝統的な北欧素材を重視し新しい視点で 活用する、より健康的な食を推進するなどの項目からなり、そのような条項を備えているレストランが、ニューノルディクフード として認定されるのです。
新北欧料理運動を主導する2人が関わるレストランnomaは、世界のレストランランキングに連続して選出され、 世界的な注目も手伝い、北欧人たちの食に対する認識が今まさに変容を遂げているといえます。
新しい北欧の食文化のムーブメントThe New Nordic Foodに関するレクチャと鍵となるレストランやシェフへの訪問を実施しました。The New Nordic Foodに関しては、北欧研究所が執筆したレポートをご覧下さい。
Service, ESSAY 北欧ICT事情, 多様性と企業マネージメント
デンマークは,電子政府政策の貢献もあり,公共データの整備が進んでいます.現在も,ベーシックデータと呼ばれる土地情報などの各種公共データが活用されるための枠組みが,急ピッチで整備されています.
この動きは,急に始まったことではありません.デンマークの統計局Statistics Denmarkでは,公共データが誰にでも使いやすいように整備されていて,この動きも90年代に始まったと言われます.各種分析に活用できるデータがStatistic Bankというサービスによって提供されており,自分でビックデータを引っ張り出し,分析することもできますし.貿易統計など新しく追加されたデータベースのお知らせや,統計局が分析した結果をグラフの形で見ることもできます.
これらをうまく活用することで,デンマークのトレンドを読むことができ,新しいサービスや製品を作り出すための参考に することができます.手短なところでは,デンマーク統計局が毎年出している「Denmark in Figures 2015」は,簡単に読める統計データとして秀逸です.この資料では,データから見る2015年のデンマークの概要を把握することができるのです.
デンマークに関する定量的なデータを活用し,調査分析したい,また新しいサービス展開に生かしたい,そんなプロジェクトを,北欧研究所と一緒に模索してみませんか?
未来のエネルギーを考えるときに,必要なのは、一つの優秀な技術ではなく、現場に即した包括的な視点。北欧のエネルギー政策からは、そんなメッセージが伝わってきます。
エネルギー効率、そして環境に優しいエネルギーを考える際に、北欧で特に模索されるのは、より低コスト・エネルギー効率が高い熱供給方法といえます。コストがかかっては維持が出来ないということを、北欧では数々の失敗から学んでいるようです。また、技術的にチャレンジングで複雑なものを導入するというよりは、1)エネルギーネットワークの維持と管理をすすめ、メンテナンスをしやすくすること、また、2)断熱性の高い/ゼロエミッションの家屋をデザインすることで、エネルギー・ロスを軽減し、効率を上げることを考えています。
いくら熱供給においてエネルギー効率が良くても、エネルギーを効率的に維持できる建物がなければ、穴のあいたバケツで水をくむようなものです。
現在の北欧のエネルギーと環境を考えるアプローチ、まだまだ学べることが沢山ありそうです。北欧のエネルギーに関する詳細レポートは、2014年11月末に公開予定です。
近年の環境や自然エネルギーへの関心の高まりを受け、「地域冷房」が注目されています。地域冷房単体というより、西洋に広く活用されている地域暖房や、その他の太陽熱や下水処理熱などの熱源を有効活用する方法として、熱源水ネットワークの一端を担う役割から注目されているといえます。環境に優しく、コスト効率とエネルギー効率を上げる熱供給方法として、フィンランドでは、導入が急速に進んでいる技術なのです。
西洋で一般的に普及している地域暖房は、CHPなどの大型の温熱源からパイプラインを引き、高温水をパイプラインに流す事で、人口が密集しているエリアに暖房を敷設しています。その一方で、地域冷房は、同じパイプラインの仕組みに、冷水を流す事で、冷房機能をもたせているものといえます。
フィンランドで注目されているその最大の理由は、コスト効率とエネルギー効率が抜群だから。データセンタなどで出た熱を冷却するため、また、大型商業施設で活用するため、フィンランドの冬でも冷房のニーズがあります。冷房に利用されて暖められた水は、循環して地域暖房にまわされます。例えば、空気に放出されてしまえば害となってしまう冷房から排出される熱、海水に放水されれば海水温度の上昇をもたらしかねない下水処理熱などが、都市を循環し、適切な場に再利用されています。同様に、地域暖房に使われ冷やされた水は、冷却水として活用されます。
フィンランドでは、暖房・冷房パイプラインの活用は、2000年頃から急速に発展してきました。そして、前述のように、下水処理熱/水、地熱、太陽光、ヒートポンプなど複数の熱源を活用、海水の冷却利用(冬場)、風力発電などが組み合わされて熱源水ネットワークが構築されているのです。特に,新規都市開発エリアでは,この傾向が顕著であるといえます。
地域冷房の利用は、まだ限られていて、世界でパリ、ストックホルム、そして、フィンランドのヘルシンキがトップ3。ヘルシンキで地域冷房が導入されたのは、1998年なのですが、この15年で導入が拡大されています。フィンランド国内では,ヘルシンキ(1998年),Turku(2000),Lahti(2000),Vierumaki (2002),Tampere (2012),Pori(2012),Espoo(2013)の導入事例があり,どれも複数温熱源や冷熱源を活用した循環式の熱源水ネットワークが構築されています。
最先端の試みで、環境により優しく・都市生活も快適にする地域冷房とそのエネルギーネットワーク、より詳細のレポートは、2014年11月末に公開予定です。
ノルウェーのKPMGが、ノルウェーでビジネスをする際に課される義務を、わかりやすくまとめています。
KPMGの Torbjørn Amundsenが紹介するこのビデオは、元来、ノルウェー鉄道に関連した EPC契約のための入札に向けて作成されたものということですが、ノルウェーで同様の大規模ビジネスするために企業にとって重要な関連事項がわかりやすくまとめられています。
内容としては、次の点が中心に解説されています。
一橋大学の海外視察プログラム(一橋大学による報告レポートは,こちら)のデンマークにおけるコーディネートを実施しました.
北欧研究所では,一橋大学の「ドイツ・デンマーク短期海外研修」における9月9日サムソ島視察に伴い,首都コペンハーゲンの宿泊ホテルから現地のエネルギーアカデミーへのフェリーを含めた往復のバスの配車などの,現地でのコーディネートを行いました.サムソ島は,再生可能エネルギーの活用を市民によるボトムアップで進めており,世界的にも注目されています.世界各地からの訪問者があり,日本からも政策に携わる人たち,再生可能エネルギーの研究者やNPO関連者が多く,訪問しています,草の根で広がる再生可能エネルギーの利用をいかに継続性を保ちながら進めるのかということに関して知見が構築されている島として、サムソ島への訪問希望者は絶えることがありませんが,サムソ島は,首都コペンハーゲンから,片道3時間で,フェリーなどを乗り継いで行く必要がある少々不便なエリアにあります.
現地の交通事情に通じた北欧研究所が団体視察サポートを実施することで,時間や費用のロスを最小限に抑え,日帰り視察などのタイトなスケジュールを無事を終えることが可能になりました.
日本の大手企業の依頼により,現地フィールド調査,インタビューの事前アレンジ,当日の配車,通訳を含めた調査アシストを行いました.
対象となったのは,フィールド調査やインタビューのアレンジに約2週間,フィールド調査に1週間の約1ヶ月にわたるデザイン手法を用いた北欧における調査支援です.北欧研究所は,クライアントのニーズに沿い,条件に該当するデンマーク・スウェーデンの該当カスタマグループのリクルーティング,当日の配車,インタビュー実施,振り返りとディスカッションなど,全般に渡るデザイン手法を活用した調査支援を行いました.
社会文化背景を知らずに,現地人を対象としたインタビューのアレンジをすることは,時には大きな困難を伴います.インタビューに適切な時間,個人宅を訪問する際に注意点などは,現地の社会文化背景を理解し,広く国内外に人的ネットワークを有する北欧研究所だからこそ提供することのできるサポートと言えます.また,抽出された定性データの相違点などは,個人の個性による違いか,国民的な違いによるものなのか,アドバイスをさせていただくことで,より高品質なデータの収集が可能となります.
デンマークの社会はどのような仕組みになっているのか。高い税率で実現する福祉サービスはどこまで充実しているのか、また北欧、ヨーロッパという枠 組みの中で政治、経済的にどのような立ち位置にあるのか。私は留学直前までデンマーク事情についてほぼ知識がないまま入国したが、風が強く、見渡す限り山 がない、すれ違う人は身長2m近く、あらゆる道路に自転車専用道が整備されているなど、あまりにも日本との違いを多く感じ、この国についてより深く知りた いと思った。
食の安全、有機食品への関心が、近年世界的に高まっています。中国やインドなどの台頭を機に、より安心な食に関心が集まっていますし、人工食肉の進展なども見られます。すぐではないにしても、将来的には食糧不足が懸念されていることもあり、「食」にまつわる関心は、今後もますます高まりそうです。
アソシエイトパートナーのArisaです。
デンマークのBageri(パン屋さん)
デンマークは、クリスマスと新年の賑やかさも落ち着きをみせ、日常が戻ってきました。日本でデンマークというと「デニッシュパン」を思い浮かべる方も多いはず。デンマーク人はパンが大好き。土日の朝食に、また平日であっても早朝からBageri(パン屋さん)に、焼きたてパンを買いに行く人も多いのです。Bageriの品揃えは日本とは少し違ったもの。少し紹介すると・・・
日本で「デニッシュパン」として知られているこのパン。こちらでは実は「Winerbrød」(ウィーンパン)と呼ばれていて、デンマークのパンじゃないという扱いなのです。カスタードやチョコレートがトッピングされていて、バターたっぷりのサクサク生地はデンマークに来たら一度は試す価値あり!そして、デンマークでは毎日食べるライ麦パン(黒パン)「Rugbrød」も並んでいます。このパンは、ライ麦やひまわりの種やナッツ類、ごま等と「Surdej」というライ麦、小麦粉、水を混ぜて発酵させた酸っぱい香りのする酵母を混ぜて作られます。自分で焼くこともできるのですが、発酵から焼き上がりまで丸一日かかります。この「Rugbrød」は食物繊維を多く含んでいて、デンマーク人のお腹の友のようです。
ケーキ屋さんも兼ねているパン屋さんが多いので、午後のコーヒーのお供となる、「Hinbærsnitter」(ラズベリージャムをクッキー生地でサンド。そこにグラス・ア・ローとカラフルなスプリンクルのトッピングがかかっています。)や、「Småkager」(クッキー)などが並んでいます。私が大好きなのが、パン屋さんで残った菓子パンを混ぜ合わせ、ラムエッセンスで香り付けしたあと、丸めてスプリンクルを掛けたお菓子、「Romkugler」です。毎日少しずつ味が違うことや、パン屋さんによって混ぜ合わせる材料が違うので私はパン屋さんに入ったら必ず買ってしまうのです。
そんな、デンマークの日常に欠かせないパン屋さんですが、今回のデンマーク滞在で気になったのが、パン屋さんが少なくなっている気がすること・・・数年前の滞在では、「1地域に1パン屋」という感じがしていたのに、パン屋さんを以前より見かけなくなった気がする。調べてみると・・・・・・
デンマークのパン屋さんの数は過去15年(2010年時。出典は文末をご参照ください。)で450件減少したそう。2010年時点では、デンマークで850件のパン屋さんがあるそうです。ここ数年の不況と、スーパーマーケットがパン屋さんを併設し始めたことが大きな要因のようです。パン屋さんが減ってしまうのは寂しいですね。「小腹がすいたらデニッシュパンを買いに♪」というのもできなくなってしまうのでしょうか。私のデニッシュパンの食べ過ぎはなくなるかもしれませんが・・・・・・。
デンマークのパン屋さん、いかがでしたか?パンについて書いていたら、またパンが食べたくなってきました。やみつきですね。みなさんもデンマークにいらしたら是非、パン屋さんに立寄ってみてくださいね。では、また次回をお楽しみに!