Møde通信 Vol.4:デンマーク 編み物男子
暖冬と言われていたのデンマークにも、冬らしさがやってきました。風が強いので体感温度が下がり、夏大好きな私にはこの太陽の見えない暗く寒い冬が一番辛い季節です。
そんな日照時間の短い冬、家の中で楽しむ事が上手なデンマーク人。編み物をする人も多いのです。日本で編み物と聞くと女性が編むイメージが強いでしょう。デンマークでも女性が多いですが、男性の編み物愛好者や、編み物作家は日本より目にすることが多いです。男性であろうと楽しそうに、堂々と編み物をしている。始めての「編み物男子」に私が出会ったのは、街の毛糸屋さんでその楽しそうに毛糸を選ぶ姿を見て私までワクワクしたのを覚えています。他の女性のお客さんも、その「編み物男子」をジロジロ見ることもない。こういった瞬間に、住みやすい国だと感じるものです。
日本では手芸店に毛糸が置いてあることが多いですが、デンマークで毛糸専門店は当たり前。小さな街にも1軒は毛糸屋さんがある。それだけ需要があるのですね。毛糸屋さんでは、編み方レシピを1つ15krくらい(約300円)で買えます。そして、お店にテーブルと椅子があり、そのテーブルに無造作に編み図が沢山入ったファイルが置いてあるなんてことも。
「このテーブルにイス、きっとお店の常連さんと店主がお茶でも飲んでHyggeするんだろうなあ。」初めはそう思っていました。
しかし様子がどうも違う。次々お店にやってくるお客さんが、この椅子に座り、「あのー、ここまではできたんだけど、ここがわからないのよー」なんて言いながら店主や、隣に座っている違うお客さんに教えてもらっている。
そう、デンマークの毛糸屋さん、編み方がわからなければ教えてくれるんです。
有料なんだろうと思ってドキドキしながら聞いたらタダ。私も編んでいてわからない事があれば毛糸屋さんに持って行くようになりました。デンマークの編み方レシピ、文章だけでずらずらと説明しているだけのこともしばしば。文章だけだと、いくら考えてもヒントはございません。そんな時は実際に編んで教えてもらうのが一番早いんです。
兼ねてから気になっていた「編み物男子」。素敵なイケメン(?)「編み物男子」との出会いがありました。
日本語版出版物も出ており、来日もしているArne&Carlos。北欧(Arneはノルウェー人、Carlosはスウェーデン人)の編み物作家として日本でも知名度が上がってきていますね。そんな彼らに会う機会がありました。Arne & Csrlosに色々話を聞いていたところ、ハッピーオーラ全開の素敵男子がやってきました。センスも良さそうで私のアンテナが感知。友達になりたいと瞬時に思い、話かけたところ、編み物作家の「編み物男子」でした。
デンマーク人のVithard 、デンマークや北欧で開かれる編み物イベントやメッセに出店。編み物愛好家では有名なサイト Ravelryでオリジナルの編み方レシピも販売しています。
そして編み物セラピーをやっていると教えてくれた。編み物セラピーと聞くと、なんだか怪しい聞こえだけれど、編み方がわからない所をスカイプで教えてくれる。彼は10歳から編み物を始めたそう。10歳で編み物を始める男子が日本にはどれだけいるだろう?
伝統的なスカンジナビアのパターンや編み方をベースに、何処か素朴な雰囲気とVithardのセンス溢れる配色が組み合わさった作品達。
嬉しそうにスカンジナビア独特の編み方を教えてくれる姿を見ていて、彼の様にジェンダーに捕らわれず自分の得意な事で活躍する人が増えるといいなあと考えさせられたのでした。
VIthardのホームページ : https://vithard.dk
Tae Maki
4月 8, 2014 @ 05:21
2011年にコペンハーゲン大学院を卒業して、約二年間KPMGコペンハーゲン事務所にてサステナビリティ部門に勤務していました。
現在はKPMG ジャパンに戻っていますが、いずれはまたデンマークに戻りたいと考えています。